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Channel: カネミ・カネカ油症に正義を!
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[転載]米国の国益で動かされた大戦前の英国と現在の日本の相似

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 2月に入ってから日韓関係が少しずつ変わりつつある。北の金王朝が米韓に軍事的な圧力を強めてきているからであろうか。朴クンヘ大統領は独身女性という立場で父親への追慕に縛られて、個人的な感情を対外的な関係に移入しているようだが、そこから抜け出さないと国を危うくする惧れがある。昔の問題は目先の現在の外交とは切り離して考えるべきであろう。アメリカにとっては、北朝鮮と中国の出方が自国の安全保障上の目先の問題である。そのために韓国大統領の個人的な感傷を一時的に利用することはしても、その結果、日韓関係が悪くなるようだと、米国の安全保障政策上、好ましくないことは分かり切っている。それにアメリカでの慰安婦像の建設は日本では誇大に報道されているが、朝鮮系の人が多い小さな州での出来事であり、アメリカ国家としての方針ではない。
 最近ソウルで朴大統領と面談したケリー米国務長官が、当面の金王朝の動きをにらんで現実的な日韓関係を築くように朴大統領に要請したことは、当然といえよう。どうも日本の事情がまだよくわかっていないらしい在日ケネディ大使が、最初に日本国民に歓迎されたことを誤解して、靖国問題で誤った判断を本国に送った結果、日米関係に悪い影響を与えたのではないかと思われる。ケネディの上司でもあるケリー長官の韓国訪問は、その修正の意味もあったと考えるべきであろう。
 アジアでの日本の現在の立場と地位は、第二次世界大戦前のイギリスに似たところがある。両国とも島国であるだけでなく、大戦前のイギリスのナチスドイツや共産国ソ連に対する大陸での防波堤がフランスであったように、日本の中国やロシアへの防波堤が韓国であるところも似ている。当時のイギリスと同じような立場にある現在の日本が、中国にGDPで追い越されたとはいえ、現在でもアジアで経済的な大国であることは言うまでもない。軍事力もそれなりに持っている。アメリカが、そのような影響力がある現在の日本との関係を悪くすることは安全保障の政策上は考えられないことである。
 第二次大戦前のアメリカは、独英戦がはじまってから、見かけ上は中立を維持していたが、裏ではイギリスに兵器を送るなどイギリスを援助していた。 これはドイツが欧州を席捲しても、ソ連が力をつけても、アメリカにとっての国益上はマイナスだと考えていたからに他ならない。現在の日本に対しても同じように行動するだろう。その場合のナチスドイツに相当するのは、中国である。沖縄はフランスではなく、ドーバー海峡に近いイングランドの一部に相当し、最後は日米軍によって守りきられると考えたいところであるが、基地反対派はそれに反対するのであろうか。
 なお現在のイギリスでスコットランド独立運動が起きているが、宗教や風俗習慣の小さな違いのために国内が分裂して、経済的に得をすることはなかろう。古代にさかのぼれば日本と民族の共通性もある朝鮮の人々が、日本への対立を前面に押し出す策をとることは、これと同じで経済面で得になることはあるまい。
 

転載元: 軍事評論家熊谷直の社会評論


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